未完成

 


財務戦略実行のアクションプランを立てる

 

■何事も具体的に決めること

 

 財務戦略を実行していくには、アクションプランを立てます。アクションプランとは、どのような施策を行うのか、いつその施策を行うのか、計画を立てることです。そしてそのアクションプランを実行していきます。

 

 なおアクションプランで大事なことは、次のとおりです。

 

・その施策を誰が行うのか、担当を決める。

 

・具体的な数値目標を入れる。

 

・その施策を実行するスケジュールと期限を決める。

 

・なぜその施策を行うのか、関係者全員が理解する。

 

・施策を実行しその後、計画通り実行できたか、実行の結果どうなったのかを定期的に検証する。

 

・実行できていないのなら、なぜ実行できないのか(例:人員の不足)、課題を抽出する。

 

 経営者が資金繰りを分かるようになる

 

■資金難に陥る経営者の特徴

 

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(例1)

 

工事現場で技士として15年働いた後、8年前に自分の会社を立ち上げた、職人肌のA社長。職人肌だからか新しい工具に目がなく、その時に現金があるとすぐに購入。今は4人の従業員を雇い、年間売上が6,000万円で、小さいながらもなんとか営業を続けていた。会計のことは妻に任せっぱなしで、苦手意識を強く持っている。ある時、大きい工事が入り、半金が入って一時的に現金は増えたが、そのお金で高級な社用車を買おうと車屋を回った。しかしそれを知った妻に「あなた、まだ分からないの!」と怒られた。

 

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(例2)

 

10年間トップセールスマンを続け、その営業力の自信から7年前に自分の会社を立ち上げたB社長。その営業力から会社はぐんぐん伸び、今は年商4億円。しかしもっと売上を伸ばそうと、営業マンをどんどん採用し、営業マンは20人にまで増えた。そして人件費が大きくなり赤字経営となっている。

 

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 資金繰りが厳しい企業で、特に多い経営者が、「職人肌のタイプ」「営業マンのタイプ」です。

 

 職人肌の経営者は、確かに素晴らしい技術を持っていて、それをもとに売上を立てています。しかしお金には無頓着なタイプが多く、赤字となる仕事でも「いや、これは仕事をすることに意義がある」と言って受けてしまう経営者も中にはいます。

 

 また売掛金の回収に無頓着で、多くの未回収売掛金が残っている、そんな企業もこういう経営者の企業には多くあります。このA社長は、職人肌でお金に無頓着なタイプであり、どうやって利益を作っていくか、その計画もなしに、いろいろなものを買ってしまいます。また資金繰り表もつけずに、ただ手元に現金が多い時期にそれを見てお金を使ってしまうので、すぐに資金繰りに窮することになります。そしてその時に「どうしよう」と悩みはじめるのです。

 

 また営業マンタイプの経営者には、営業に自信があるから会社を立ち上げ、その営業力から、売上を大きく伸ばしていける人が多いのも事実です。しかし売上向上のための投資を後先考えずに行い、それが後で大きな赤字となって響いてくることがあります。

 

 いずれにしても、どう利益を上げるかの経営計画、そしてどう資金調達をして資金繰りを回していくかの資金繰り計画を立てて、盤石な経営を行っていきたいところです。しかし財務・会計に苦手意識を持っていれば、赤字が何期も出たり、資金繰りが厳しくなったりして、経営が立ちゆかなくなってしまいかねません。

 

 経営者は財務・会計が分かること、そして資金繰りを知ること。これは経営者が経営の仕事を行うために大事なことの一つです。

 

 資金繰りを行う体制

 

■誰が行うのか、を決める

 

 資金繰りを良くしていくには、多くの対策を行っていかなければなりませんが、その対策を決めるとともに重要なことは、誰が主導で行うか、その体制をしっかり決めることです。

 

 会社によって、経理部や財務部など資金繰りのことを任せられる専門部署がある会社もあれば、専門部署がない会社もあることでしょう。

 

 図表は、専門部署がない会社とある会社が、どのような体制で資金繰り対策を行っていくか、その例です。このように日常、どんな資金繰り対策を行うか、その項目を列記し、その項目ごとに、誰が行うのか、指示のやり方はどうするか、報告はどうするかなどを決めて、書面で記しておくとよいでしょう。

 

 なお専門部署がない会社は、やはり社長への負担が大きくなります。しかし専門部署を抱えるということは、それだけ人を抱えなければならず、人件費がかかります。ちなみに私の会社の現在の社員数は55名ですが、創業してから、社員数が15名になった時に、経理部を構えました。このように、会社の発展段階で、いつ専門部署を作るのか、考えておくとよいでしょう。

 

 ちなみに資金繰りが厳しい会社は、社長が資金繰りに関わる負担はとても多くなります。社長が「金策に走る」ことになり、他の仕事へかける時間が少なくなります。社長が資金繰りのことに多くの時間を使えば、他の経営のこと、売上を作ることなど、他の仕事へ割ける時間が少なくなり、それにより経営がより悪化することが多いです。悪いスパイラルに陥ってしまうことになります。

 

 私の会社はそのような企業への資金繰り改善、事業再生コンサルティングを行いますが、それにより社長が資金繰りを心配することがなくなっていき、資金繰りのことに割く時間が少なくなり、社長が会社を良くしていくための仕事に力を入れられるようになるので、業況が回復していくことが多いです。そして利益が上がっていき、支払いができなかった取引先へも支払いを行えるようになっていきます。そういうよいスパイラルにしていきたいところです。