未完成

 

 


2、公共工事のノウハウは、存在しない

 

 多くの中小建設会社の経営者は、公共工事に参入するノウハウがどこかに存在する、と思っています。ノウハウは存在しません。この前提をはじめによく理解する必要があります。公共工事を始めるにあたり、ここを間違ってしまうと、参入時に途中で諦めたり、全く成果が出なかったりする結果になります。最初から躓いてしまうのです。ほとんどの会社が誤解していますので、解説していきましょう。

 

@ 行政書士が教えてくれるという誤解

 

 私が直接、行政書士さんから直接話聞いたお話をご紹介しましょう。ほとんどの行政書士は、エリアを限定して活動しています。私は東京におりますので、首都圏で活動されている行政書士10人以上の方と意見交換してきました。その中での印象的なエピソードをご紹介しますね。

 

 「経審を引き受けても儲かんないのですよ」とその行政書士さんは言われました。以下この行政書士さんのお話です。

 

 「経審を初めて取ろうとすれば、1年目は書類揃えるのが、結構大変で手間もかかるのです。次の年からは、同様の作業なので、手間もかからず、儲かるのですよ。でもね、ほとんどの建設会社が次の年の経審を更新しないのですよ。

 

 経審をとって、入札資格申請をするのですよ、1年目は。だけど、翌年の更新時期になると、落札できないからと言って、公共工事をやめるので更新もしないわ、と言われるのですよ。せっかく2年目から儲けようと思っていたのに、がっかりですよ。だから建設業許可のみのお客さんの方が儲かるのですよ。5年に1回ですけど、許可はほとんどのお客さんが更新しますから。」

 

 行政書士も、公共工事に新規参入しても、ほとんどの建設会社が成功しないって知っているのですね。であれば、有料でも、手続きした会社が成功するように、アドバイスしてあげたらいいのに、と思うのですが、それはしないのです。できないのですね。

 

 行政書士の仕事はあくまで、文書代行業です。自分の仕事にならないことはやらないのです。

 

 このエピソードからわかるのは、公共工事に新規参入しても、多くの建設会社が失敗するということ、行政書士は、公共工事での成功については何もアプローチしない、ということです。

 

 多くの人は、なぜすぐ士業に頼ろうとするのでしょうか。

 

 自分でやってみようとしないのでしょうか。自分でやってはいけないと勝手に思っている人もおられるようですが、自社で行っても全く問題ありません。行政書士は、公共工事においては素人ですから、あなたの会社がやったほうがいい結果に結びつきます。

 

 士業に頼って成功するのであれば結構ですが、このエピソードからわかるように、成功しない訳ですから。

 

A 既に参入している会社から教えてもらえたという誤解

 

 既に公共工事に参入している会社の経営者から、公共工事について話を聞いた。すると、建設許可・経営事項審査・入札資格申請を行政書士に頼めばいいと言われた。あとは物件を探して見積もりをし、入札していけばいい、と言われた。だからまずは行政書士に頼むのだ、とよく新規参入しようとする経営者の方が言われます。

 

 アドバイスをしてくれた会社は、順調に物件を落札して、公共工事の売上を伸ばしていることは、ほとんどありません。私のもとに、一番よくくる相談です。行政書士に手続きを頼んだけれど、落札まで至らない。入札すらできない。どうすればいいんだ、という相談です。

 

 そもそも、公共工事は税金で賄われていることは、あなたもご存知ですよね。税金ということは予算が組まれています。県にしろ、市にしろ、毎年の予算が決まっています。そしてその予算は、既に参入している会社によって分けられています。予算が余るということはありません。ライバル同士で税金を取りあっているということです。

 

 既に参入している会社からすると、新たに参入する会社は、自分の食い扶持を減らす厄介者以外の何物でもないのです。それなのに、あなたに公共工事で成功するノウハウを教えてくれるはずないでしょ。このことを始めによくわかっていないと、今後の公共工事での成功はあり得ません。

 

 ただし、良かれと思って教えてくれるお人好しも、なかにはいるでしょう。否定はしません。しかし、アナタはそのアドバイスを聞くべきではありません、何故なら、その会社は公共工事で成功していないからです。そのお人好しの方の会社は、1章でお話しした公共工事のメリットを充分に享受していない会社です。

 

 1章でお話ししたメリットを全て享受できる、公共工事の成功を成し遂げれば、「現在、あなたの会社が得られないような利益を獲得すること」ができるようになります。しかし、そのお人好しの経営者は、公共工事で成功してはいないので、公共工事をなめているのです。だから、あなたにアドバイスするのです。公共工事で成功する、ということを本当の意味で理解していないのです。

 

 その会社は、毎年数千万や1億ちょっとの売上で満足しているような会社でしょう。私はこのような会社を「成功している」とは呼びません。そんな会社の話を聞いていると、あなたもそのレベルになってしまします。

 

 あなたは成功したいにもかかわらず、成功していない会社のアドバイスを聞いて行動しているということです。

 

 既に参入している会社は本来、新規参入してほしくないはずです。もし成功している会社から教えてもらえたとしても、その情報は、誤った情報か、部分的な情報です。それを信じてあなたが行動すれば、必ず壁に阻まれ、そのうち公共工事自体をあきらめることになるでしょう。